日本では教科書があり、先生が教科書通りに授業を進めて行きます。
こちらではその様なものはなく、シラバスにある学習目標を達成すれば何をどう使おうが学校や先生次第という事になります。国語の教科書の中にある色んなお話は、それぞれの学習目的がありますね。
先生用の指導書なんかも販売されています。それが存在しないので、シラバスの学習目標にあった絵本・本の選定から始まります。その選んだ本を美術、音楽、理科などの副教科にも関係性を持たせて教えます。
Conceptual learningやConnecting outcomesと呼ばれ、各科目を別々にそれぞれ独立させて教えるのではなく、全科目に関係した大きなコンセプトがあって、子ども目線で各教科に関連性を持たせる事で、生徒の学びが深まるというアプローチです。
みなさんが知っている本で例を挙げます。例えば、『はらぺこあおむし』という本を使っての各教科を関連付けて教えるとしたらこんな感じの内容になると思います。
対象は幼稚園生で1−2週間程度の学習内容になると思います。クラスに本を紹介するためのいくつかの戦略があります。
子どもたちと「はらぺこあおむし」の絵本のページに穴が開いていることや、ページの大きさが違うことについて話します。
作者が意図的にこのような本を作ったことをクラスのみんなに伝えます。子どもたちには、物語を読みながらその理由を考えてもらいます。
又、イモムシについて何を知っているか聞いてみたり、イモムシを見た事、捕まえた事があるか?どんな感じだったか?イモムシってどう変化していくか?など様々な質問をし、答え生徒から引き出す。
ポスター用紙(大きな紙)に K-W-L (What We Know, What We Want to Know, What We Learn) チャートを作成します。
Kの列に生徒が既に知っている知識を記入し、Wの列に子どもたちが知りたい事を記入し、物語を読んだ後、この表をもう一度見て、Lの列に分かった情報を追加します。
子どもたちの知識を増やすために、イモムシやチョウに関するノンフィクションの本を用意しておくのも良いと思います。
こんな感じで一学期に7冊程度の絵本を使い、各教科を教えます。